バブル期に極端に高まり、当時は金額で見るとアメリカやフランスの3倍程度の水準に達していた事になります。

その後減少傾向が続き、リーマンショック時は主要先進国で唯一マイナスとなっています。

近年の水準もイタリアよりは高いですが、他の主要先進国を下回っています。

他の主要先進国は概ね一定範囲で推移していて、少しずつ固定資産が蓄積されている様子がわかります。

特に韓国とカナダは2000年代から増加傾向となっています。

3. 1人あたり純固定資本形成の国際比較

続いて、OECD各国の1人あたり純固定資本形成を国際比較してみましょう。

図3 1人あたり純固定資本形成 名目 為替レート換算値 2022年OECD Data Explorerより

図3が1人あたり純固定資本形成の2022年の国際比較です。

図2のように、アップダウンの大きな指標を特定の年で切り出して比較していますので、参考程度に眺めていただければと思います。

上位にはルクセンブルク、ノルウェーなどの経済水準の高い国が並び、カナダ、韓国、アメリカも平均値を上回ります。

一方で、イタリア、フランス、イギリス、ドイツは平均値を下回り、やや程度が低い方になるようです。

日本はほぼゼロで、アイルランド、ラトビアに次いで水準が低い事になるようです。

アイルランドは近年経済水準が急激に上昇している国です。

2019年と2020年に総固定資本形成が極端に増加していて、その後減少しています。

固定資本減耗は残高に対して緩やかに増加していきますので、ここ数年では純固定資本形成が大きくマイナスで推移しているようです。

4. 純固定資本形成 対GDP比の推移

人口1人あたりのドル換算値は、国際的に見た水準の高低の比較となります。

各国で経済水準が異なりますので、対GDP比とすることでその国の中での純固定資本形成の相対的な割合を可視化してみたいと思います。

図4 純固定資本形成 対GDP比OECD Data Explorerより