ディーラーはガンマショートであるが、こちらは指数がポジティブガンマ域まで戻らなくても、今週末のOp Exでガンマショートの多くが消失する。売り崩しの賞味期限はOp Exまでという前提下で残り5営業日、ショート勢の目線を再現していつニューショートが入り、いつショートカバーが入るかを当てるという作業になる。
例えば小売売上高が弱ければ景気後退懸念、FOMCがタカ的に出ればそれぞれニューショートを入れやすくなるが、無風が続けばFOMC前はショートカバーされやすくなるし、安値圏でFOMCを迎えそうなら脆弱な下方に備えてロング側がロスカットを済ませてからFOMC後にショートカバーということになるか。
今週のS&P 500の方向性を前もって賭ける行為には意味がない。それよりも各イベントに向けて条件付きシナリオを整理しておくことの方が重要である。
外しっぱなしのテクニカルからの示唆は今週は少ない。ダウ理論など言われなくても皆分かっているし、これまで下値割れを売っても踏まれる時代が長かったのでダウ理論にとって今回の長い調整は僥倖である。
25SMAと大統領選以降のサポートラインが交叉する5800台前半が重くなりそう。下値はチャートよりもJPMカラーの5565の方が恐らく重要で、ここを守り切れれば月末にかけて下値リスクは緩和されていくし、再び叩き割られると不安定な相場が続きそうである。
関税の本丸が4/2以降に控えているため、月末に近付くにつれてヘッドライン主導のフラッシュクラッシュのリスクも高まる。また3月後半は徐々にブラックアウト期間に入る(もっともそれ込みでも3月後半にシーズナリティが改善することが分かっている)。
将来の関税と政府支出削減がもたらす経済環境悪化懸念が根本的に解決されない限り、ある程度の反発が見られた後は再び売り優勢になりやすいだろう(先週の記事でも述べたように中期的な下向きトレンドに転じた可能性がそれなりに大きい)が、ニューショートよりもショートカバーの方がインパクトが大きそうな価格帯と時間帯に入りつつある中、ショートカバーがそのリズムをどこまで乱すかである。
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