2026年3月期の各数値目標の達成には、2025年2月14日時点との比較において、1,000店舗以上、会員数は2倍以上、1店舗あたりの会員数は30%以上増加させる必要がある。
2024年3月期は出店と広告を強化し新規会員獲得に注力、2025年3月期は店舗品質と既存会員の満足度向上にシフトすると会社は繰り返し説明していたことから、店舗数や会員増加数の鈍化は想定内だ。

2025年3月期第2四半期決算説明会 P22より抜粋
仮に退会率・休会率が高い状態で、多額の広告宣伝費を投入し、新規会員を獲得しても、穴の開いたバケツに水を注ぐようなもので、非効率になるため、会員の継続率をさらに高めようとRIZAPグループが取った戦略には賛成だ。
ただし、現在の会員数では、2026年3月期および2027年3月期の営業利益目標を達成することは難しい。そのため、会員数の大幅な増加を目指し、出店スピードを再び加速させる必要がある。chocoZAPの現在の勢い、実績、ノウハウを考慮すれば、短期間で店舗数と会員数を大きく伸ばせるだろう。
しかし、出店スピードを再加速させると、投資増から広告宣伝費などの販売管理費が増え、短期的に営業利益を圧迫し、利益貢献には一定のタイムラグを伴う。よって、2026年3月期の中期経営計画の連結営業利益を達成するには、投資がかさむ出店数の目標を適正な水準に下方修正し、一方で会員数は順調に増加させるという難しいかじ取りが必要だ。幸い、その取組みはすでにさまざまなところから見え始めている。
現在、RIZAPグループは法人向けの営業を強化し、契約法人数が順調に伸びている。法人向けは個人向けに比べて広告宣伝費が少なく済むことが多く、会員数もまとまった単位で増加することが期待できる。

2025年3月期第3四半期決算補足資料 P30より抜粋