その言葉に嘘がなければ、一度くらいは除雪ボランティアに参加しても良かったのではないだろうか。14日には少年時代に親の転勤で2年間生活していた栃木県を訪れ、今季からJ3に参戦している栃木シティのホームタウンの栃木市・大川秀子市長を表敬訪問した野々村氏だが、そのまま東京にUターン。東北に足を伸ばし視察に訪れるという考えはなかったのだろうか。

Jリーグ側はどう感じるのか
ウェザーニューズ社調べでは、東京において、降雪の日には人の移動は4割も減るという統計が発表されている。約600万人の位置情報をビッグデータから分析した数字とのこと。豪雪地帯ともなれば、さらに人の動きが減ることは明々白々だ。
札幌在住歴があるとはいえ、かつて自らテレビで紹介した自宅は市内のマンションだった野々村氏。静岡出身である同氏が雪国に住む本当の厳しさを理解できているとは思えないのだ。
野々村氏は2023年、秋春制移行が決定されたJリーグ理事会後に、雪国クラブに対する施設整備への支援として「100億円くらいは確実に用意できている」と力強く宣言している。
しかし、その発言について先のインタビューで問われると、「“100億円”という数字が独り歩きしている」と急にトーンダウンした。結局のところ、雪国クラブのサポートなど空手形に過ぎず、秋春制導入によって雪国クラブがどれだけ不利益を被っても知らぬ存ぜぬを貫き通す腹積もりとも取れる。この状態を放置すればいずれ、「雪害(秋春制導入)によるクラブ解散およびJリーグ退会」という最悪の結果をもたらすことも考えられる。
実際、インドアスポーツであるバスケットボールのプロリーグであるBリーグが凄まじい勢いで人気を集めている。2016年からの数字では、観客動員数ではプロ野球とJリーグが横ばいである一方、Bリーグは200%の伸びを見せ、総売上では400%(いずれも2024年、NewsPicks調べ)という驚異的な成長だ。