一方、同じく中止となった福島ユナイテッド対アスルクラロ沼津(とうほうみんなのスタジアム/14:00キックオフ予定)の発表は、スタメン発表後の12時32分だった。
これに対し、既に現地に到着していたと思われるファンからは、SNS上で「発表が遅すぎる」と怒りのコメントが寄せられたが、相手は自然現象だ。わざわざ足を運んだファンや、はるばる駆け付けた沼津サポーターにとっては気の毒としか言いようがないが、誰のせいでもない中止決定とも言えよう。

前日の16時55分頃にも情報発信
前日15日からサンプロアルウィン周辺でも雪が積もり始め、試合運営や観客の安全確保に懸念が生じると判断した運営側は、前日の16時55分頃、公式HPに加えJリーグ公式HPでも「中止となる可能性が高まった」と情報発信している。松本の運営担当は空を見上げながら、眠れない夜を過ごしたことだろう。
そして試合当日の16日の朝、運営側がサンプロアルウィンでの積雪状況を確認した結果、ピッチコンディションの確保、観客や関係者の移動の安全確保、試合運営の困難であると判断し、中止を決断した。
松本も福島も、お彼岸も近い3月中旬になってこのような豪雪に見舞われることは想定外だっただろう。この事態に秋春制導入反対派は早速「こんなことで大丈夫か」とSNS上で声を上げている。
今冬がウン十年に一度レベルの異常気象であるとはいえ、ただでさえ雪国クラブは本拠地で練習することもできないまま、アウェイ戦が続く序盤戦を戦わされている。この時点で「リーグ戦の公平性」が大きく損なわれていると言ってもいいだろう。
欧州5大リーグ、およびAFC(アジアサッカー連盟)の方針に沿うために導入に至ったJリーグの秋春制(2026/27シーズンから移行)。しかし、スタジアムや練習場にヒーティングシステムを付けることが現実的でない上、観客の来場にも危険が伴うとなれば、リーグ側も一度立ち止まって再考する必要があるのではないだろうか。
