徳重代表と告発した男性は運営方法を巡って度々意見が対立していたようだ。男性は「今回の不透明な手続きを含め、代表による利己的な運営が続いている。正常な状態に改善してほしい」(12日『南日本新聞社』)「合併してから徳重代表が独占し、自分がやりやすい組織を作り上げた」(11日『鹿児島読売テレビ』)と証言している。
この事件を受けて、12日に塩田鹿児島県知事は「事実関係がどうなっているのかよく分からないので、今のところそれについてどうこうと言うことではない。シーズン中なので選手の皆さんには試合に集中して頑張ってもらいたい」とし、さらに「応援している県民の気持ちを考えれば、コンプライアンス関係はしっかりしていく必要がある」と注文を付けた。

鹿児島ユナイテッド合併前の経緯と対立
徳重代表が設立した「FC KAGOSHIMA」と元理事の男性が所属していた「ヴォルカ鹿児島」が合併し、2014年に発足した鹿児島ユナイテッドは、2016シーズンからJリーグに参入。昨2024シーズン、2度目のJ2を戦っていたものの前回と同様にわずか1年で降格し、今2025シーズンは再びJ3を戦っている。
クラブ運営には、鹿児島県や鹿児島市からはスポーツ振興の補助金など税金も投入されている。内訳は全体の事業費年間1,550万円のうち、クラブへの広告費が約半分にあたる750万円にも上る。「不備があった」では済まされないだろう。徳重代表の処分は明らかにされていないが、サッカー界追放どころか、本業の公認会計士においても重い懲戒処分が下る可能性もある。
1959年に「鹿児島サッカー教員団」として創設された「ヴォルカ鹿児島」は、1973年の九州リーグ創設時から参加し、一度も降格することなく活動を続けてきた長い歴史を持つクラブだ。