鹿児島ユナイテッド 写真:Getty Images

J3の鹿児島ユナイテッドの徳重剛代表が、電磁的公正証書原本不実記録などの疑いで3月5日に書類送検されたことが明らかになった。5年前、当時J参入を目指していた鹿児島ユナイテッドの運営主体の1つ「社団法人鹿児島プロスポーツプロジェクト」の登記申請をめぐり、役員だった男性1人が辞任したとするウソの登記申請をしたとされる。2023年9月にウソの辞任届を作成された男性が刑事告発していた。

鹿児島ユナイテッドは2014年、Jリーグ参入を目指して徳重代表が設立した「FC KAGOSHIMA」と、本件を告発した元理事の男性が所属していた「ヴォルカ鹿児島」の2つのチームが統合する形で発足。徳重代表は発足当時からチームの運営に中心的に関わり、現在クラブの代表を務めている。

ここでは、鹿児島ユナイテッドの不祥事の詳細をまとめると共に、同クラブ以外にJリーグ入りを目指すために合併を果たしたクラブの数々のケースを示し、いかにして融和を図り対立を回避してきたかを検証したい。


徳重代表と告発した男性の証言内容

徳重代表は、3月11日までに鹿児島ユナイテッドの広報を通じてコメントを出し、その中で登記手続きの経緯を説明。「その際の本人への確認不足などにより登記手続きに不備があったと指摘された」などとコメントし、「今後も専門家などの助言をいただきながら再発防止に努めたい」と、まるで他人事のような言葉を残している。

刑事告発した元理事の男性は、11日に『鹿児島読売テレビ』の取材で「全く身に覚えがなかったので “マジか…”というのが正直な気持ち。あ然としたというか言葉にならなかった」と語った。なぜ不実記載が判明したかについては「個人的な理由でたまたま登記を確認したところ、既に理事としての名前はなく辞めたことになっていた」という。