近くには、現在のユーラシア大陸と北アメリカ大陸がまとまった「ローラシア大陸」がありました。
そしてゴンドワナ大陸とローラシア大陸の間には「テチス海」と呼ばれる海域が存在していました。
ところが約1億2000万年前、インドは「インド大陸」として、ゴンドワナ大陸から分離し、現在のユーラシア大陸に衝突するルートを進み始めました。

これはつまりインドプレートの移動と、間に挟まれたテチス海とそのプレートの消滅を意味します。
結局、インドプレートは7000万年前にユーラシアプレートに接触し、その後5000万年もの間、衝突を続けたようです。
その衝突でできた隆起が現在のヒマラヤ山脈だと言われています。
そしてユーラシア大陸に合体したインド亜大陸の南には、現在のインド洋が形成されたのです。
これらは表面上の変化ですが、その下では、もっと強烈な変化がありました。
研究チームは、移動中のインドプレートが、テチス海を形成していた海洋プレート「テチアンプレート」の上を通過したと考えています。
テチアンプレートは、インドプレートの下に押し込まれていき、マントルの下へと沈み込んでいったのです。

結果としてマントル内で大規模な対流運動が発生。
プレートを「押し込んだ」代わりに、マントル内の比較的軽い物質が「押し出され」、地表に向かって上昇していきました。
最終的に、これらの物質はインド洋の下に流れ込み、現在の重力異常を作り出したようです。