加えてその局所的な重力の弱さから、この領域の海水面は、地球の平均海水面より最大106mも低くなります。ため)

海水は月の微弱な重力にさえ引っ張られて潮汐を起こしています。そのため地球上の重力が強いポイントに海水は引き寄せられて海水面が盛り上がり、重力の弱いポイントは逆に海水を奪われて海面が下がってしまうのです。
とはいえ、「重力の穴」に見られるほど極端な違いを生じさせるのは、まさに異常だと言えます。
そんな巨大で異常な「重力の穴」は、1994年にオランダの地球物理学者フェリックス・ベニング・マイネス氏によって発見されましたが、未だにその原因は解明されていません。
そして約40年が経過した現在、デバンジャン・パル氏ら研究チームが新説を提唱しました。
多くの科学者たちは、今の現象に目を向けてきましたが、彼らは遠い過去に目を向け、その原因を理解しようとしました。
幻の海「テチス海」の消滅とその亡霊が重力異常を引き起こす

パル氏ら研究チームは、はるか昔に生じたプレート移動に目を向けました。
スーパーコンピュータを使用して、1億4000万年前からプレートがどのように動いたか、様々なシミュレーションを行ったのです。
プレートテクトニクスの理論では、地球の表面は何枚かの岩盤「プレート」で構成されており、これが互いに動くことで大陸移動が引き起こされると考えられています。

この理論によると、1億8000年前、現代のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド亜大陸(インド半島)、南極大陸、オーストラリア大陸などは1つにまとまっており、「ゴンドワナ大陸」と呼ばれていました。