このため、黒鉛は層ごとに滑りやすくなっており、手でこすると粉がつくほどです。

これがダイヤモンドは美しく、黒鉛は汚いという印象を人に抱かせてしまうのです。
これだけ人の目には大きな違いがあるダイヤモンドと黒鉛ですが、全ては同じ元素の結晶構造の違いであり、地表で安定しているのは黒鉛の方です。
そのためダイヤモンドは、最後は地表で黒鉛に変わってしまうのです。
どのくらいの時間でダイヤモンドは鉛筆の芯に変わるのか?
では、最終的にどのくらいの時間をかけてダイヤモンドから黒鉛への変化は起こるのでしょうか。
それは、私たちが生きている間には決して目に見えるものではなく、数百万年、あるいは数億年というスケールで、ゆっくりとその輝きを失いながら黒鉛へと変化していくのです。
そのため人間の一生というスケールで考えた場合、婚約指輪として永遠の誓いの象徴にするのは間違っていないのかもしれません。
しかしダイヤモンドが変化するまでには気の遠くなるような時間がかかりますが、「この美しい宝石がゆっくりと鉛筆の芯になっていく」と想像すると、科学のロマンを感じずにはいられません。
数億年後に、このダイヤモンドはどんな姿になっているのか。
そんな未来に思いを馳せるのも、また一興かもしれません。
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参考文献
Structure of carbon allotropes
https://www.britannica.com/science/organic-chemistry
Structural Description
https://www.asbury.com/resources/education/graphite-101/structural-description/#:~:text=Graphite%20is%20composed%20of%20layers,(without%20the%20hydrogen%20atoms).