実際、相手の視線を追うことは、相手が「何に注意を払っているか」を理解し、共感するための重要な手掛かりとなります。

また、集団におけるメンバー間の協調を助け、信頼していることを示すシグナルとなります。

つまり会話中のほとんどの時間は相手に注意を払っていなかったとしても、稀な目の合う瞬間に人は相手の意図を理解しようと努め、共感を得ている可能性があるのです。

子供たちも、親や他の大人の視線を追うことで、重要な情報を得たり、社会規範を学び取ったりしています。

アイコンタクトは頻繁には行われませんが、これらを促進することを考えると、やはりコミュニケーションにおいて目を合わせることは重要な要素だと言えるでしょう。

しかし、今回示された通り、目を合わせることは重要とは言え、自然な会話中に起きる頻度自体は稀です。そのため目を合わせるのが大事だからといって、じっと相手に目を合わせ続けようとすると、非常に奇妙な印象を与えることになるんでしょう。

人によっては相手の目を見て話すことは、難しい行為かもしれませんが、これが会話中3.5%程度しか発生しないということを考えると、それは重要なことを伝えたいときや、注意して聞いて欲しいときだけで十分なようです。

このことを理解して、無理のない範囲でアイコンタクトを意識すれば、苦手なコミュニケーションも円滑に行うことができるかもしれません。

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参考文献

Eye-to-eye contact is rare but shapes our social behavior
https://www.mcgill.ca/newsroom/channels/news/eye-eye-contact-rare-shapes-our-social-behavior-352586

Eye-to-eye contact is infrequent but shapes our social behavior
https://www.tobii.com/resource-center/scientific-publications/eye-contact-shapes-our-social-behavior