私たちは小さいころから、「相手の目を見て話しなさい」と教わってきました。
アイコンタクトは、コミュニケーションにおけるマナーの1つなのです。
一方で、目を合わせて会話をするのが苦手な人も少なくないはずです。
「相手のどこを見て話せばいいのか分からない」「目が合うと緊張する」という意見もあります。
では実際のところ、円滑なコミュニケーションに「目を合わせること」はどの程度重要なのでしょうか?
最近、カナダのマギル大学(McGill University)心理学部に所属するフローレンス・メイランド氏ら研究チームは、実際調査すると会話中に目が合うのは全体の3.5%に過ぎないが、それが相手の理解を深めるために重要な可能性があると報告しました。
研究の詳細は、2023年7月14日付の学術誌『Scientific Reports』に掲載されました。
目次
- 会話中のアイコンタクトは、たとえ稀だとしても、相手との関係を深めるのに役立つ可能性がある
会話中のアイコンタクトは、たとえ稀だとしても、相手との関係を深めるのに役立つ可能性がある

私たちが対面して会話する時、そのコミュニケーションは、言語以外でも行われています。
例えば、体の姿勢や手のジェスチャー、そして視線などです。
特に会話中の視線は、「私たちが何に注意を向けているか」「どんな意図を持って言葉を発しているか」「どんな心理状態にあるか」など様々な情報を与えます。
しかしながら、メイランド氏ら研究チームによると、「互いの視線が重なった時の影響について、科学的な知見はほとんどない」ようです。
そこで、次のような疑問が生じます。
「会話において、目と目を合わせる必要は本当にあるのだろうか」
「相手の顔を見るだけで十分なのではないか」
