カチモードの今後

――最後に何か伝えたいことなどはありますか?

児玉:カチモードの活動を通して、心理的瑕疵のある物件の価値を少しでも高められるとしたら、今後増えるかもしれない単身の高齢者への貸し渋り問題に一石を投じることができるのではないかと思っています。事故物件に関しても、家賃を下げる以外の選択肢を選べるのは良いことなんじゃないかと思いますね。

 事故物件と聞くと嫌悪感を抱いてしまう人も多いかと思いますが、その部屋で誰が亡くなっていたとしても、そこには誰かに大切にされていた人が住んでいたのです。もし今後、事故物件を目にすることがあれば、そこには私達と同じように一人の人生の物語があったということを思っていただければと思います。

――本日はありがとうございました!

 オバケ調査と聞くとエンタメ要素が強いイメージを抱く人もいると思うが、カチモードの活動内容は決して単なる興味本位のものではない。事故物件に向き合うことで、そこに住んでいた人の人生を尊重し、オーナーが抱える課題を解決する実践的な取り組みだ。

「家賃を下げるしかない」という固定観念を打ち破り、物件に新たな価値を見出す。「そこにあった暮らし」に目を向けることで、事故物件に対する考え方を変えるきっかけになるかもしれない。

 なお、某大手不動産紹介会社では、カチモードが調査した心理的瑕疵物件の備考欄に「カチモード調査済み」と記載されることが決定したという。

 カチモードの挑戦が、不動産業界の常識を塗り替えていくのかもしれない。

「告知事項あり。」の裏側ーー事故物件に新たな価値を生み出すカチモードの挑戦
(画像=『TOCANA』より 引用)

文=渡邊存瀰

提供元・TOCANA

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