噴火がもたらす影響

 もしスパー山が噴火すれば、火山灰の噴出、火砕流、そして泥流などの深刻な被害が予想される。特に、火砕流は時速300キロ以上の速さで山の斜面を駆け下りるため、周辺地域に壊滅的な被害をもたらす恐れがある。

 また、火山灰の雲は数百キロ先まで拡散し、低地にいる人々が有害なガスを吸い込むリスクも高まる。過去の記録によると、1992年の噴火では、アンカレッジで約0.6センチの降灰があり、住民は屋内待機を余儀なくされたほか、マスクの着用が推奨された。このときの火山灰はグリーンランドにまで到達したという。

 火山灰は鋭利で硬く、産業用の研磨剤としても使用されることがある。そのため、航空機のエンジンに吸い込まれると深刻なトラブルを引き起こす危険性がある。1992年の噴火では、アンカレッジの空港が一時閉鎖される事態となった。

巨大火山が数週間以内に大規模噴火の可能性か=アラスカ
(画像=1992年の噴火 画像は「Wikipedia」より、『TOCANA』より 引用)