なんて書くとやっぱり大卒は優秀なんだな!と思う人もいるかもしれませんが、ここで重要になってくるのが「評価制度」と「コース別採用」です。
日本企業で働いている人ならみんなわかると思いますが、賞与や昇給の査定なんてどこのJTCでも結構いい加減なものですよね。
これまでも何度か言及しているように、多くの会社では人事部が設定した分布に基づいて管理職が評価をばらまき、人事部が決めた基準で賞与や昇給額を決めているだけです。
具体的に言えば「30歳大卒なら昇給はこのレンジで、高卒ならそれより低くてこのくらいで」みたいな感じです。
つまり、個人差はあれど、学歴ごとの賃金カーブの差というのは、そのほとんどが人事部があらかじめ敷いたレールということになります。
そしてもう一つの重要な要素であるコース別採用ですが、それにより各人は事前に与えられる仕事が大まかに決定されることになります。
一般的にいうと、付加価値の高い基幹業務を担い、幹部候補として全国転勤や残業もばりばりこなす総合職、現場業務中心で転勤や異動の限定的な地域採用職(企業によっては事務一般をこなす一般職も)などがあります。
これらのコースはほぼそのまま学歴で振り分けられます。大卒以上は総合職、それ以外は地域採用や一般職といった具合ですね。
つまり、学歴によっては入れるコースが異なり、コースによって与えられる仕事が違うということになります。
そう考えると、先の図の印象も随分変わってくるのではないでしょうか。
「学歴はお金を生み出す武器」というよりは「学歴はより高収入の保証されたレールに乗るための乗車券」と言うべきでしょうね。
でそのチケットによって「お前は高卒だから給料はこのくらいで、ピーク時もこんなもんでいいだろう」みたいに決め打ちされるわけですよ。
「そんなステレオタイプで人の人生を限定するな!」と怒る人もいるでしょうが、年功序列制度というのはそういうものなんですね。文句がある人は年功序列制度(とそれに基づいた終身雇用制度)に言いましょう。