■そもそも、なぜバズってるの?
同ポストが大きな話題を呼んだのは、2つの大きな要因が考えられる。
ひとつ目は、こちらのオブジェがゲーム開発・販売を手がける「エコールソフトウェア」のロゴマークと非常に酷似している点。そしてエコールを代表する作品が、かの有名な『デスクリムゾン』である点だ。

1996年、セガサターン向けソフトとしてリリースされた同作は「クソゲー史に名を残す名(?)作」と名高いタイトルで、「10年に一度のクソゲー」「デス様」「クソゲーの征夷大将軍」など、その敬称は枚挙に暇がない。

クソゲーとしての特徴については挙げるときりがないため割愛するが、同作の奇抜さは電源を入れた瞬間からいきなり全開である。

謎に牧歌的なBGMに合わせてエコールのロゴマークが表示され、これが異様に怖い。人の顔を模した青銅の仮面のような物体が、血溜まりやマグマのように真っ赤な背景をバックに現れるというもので、とにかくインパクト抜群。
さらにスキップできない仕様のため、理不尽なゲーム性がゲームオーバーを誘発しやすい点と併せ、プレイヤーは必然的にこのロゴマークを何度も…それこそ、親の顔のような頻度で拝む羽目に陥る。
そのため「会社を象徴する」という名誉あるロゴマークは、多くのゲーマーの胸には「トラウマの象徴」として刻まれたのだ。
そんな『デスクリムゾン』の魔力に魅入られたゲーマーは少なくなく、自身の名に同作主人公の名を冠したXユーザー「コンバット越前」さんもその一人。

同作の魅力について、越前さんは「各キャラクターのボイスを務めた声優・せいじろうさんの声とイントネーション、台詞回しに加え、その他の設定もツッコミどころがあるものばかりですが、そこがまた忘れられなく、深くプレイしていなくともハマってしまうポイントだと思います」と語っていた。
こうした背景もあり、件のポストはX上で大きな話題となり、Xユーザーからは「スキップできないぞ、気をつけろぉ!!」「なんだぁこのオブジェはっ!?」「実在したのかよ…」など、驚きの声が続出する事態に。
そこで今回は、こちらのオブジェの正体、およびエコールのロゴマークの詳細を探るべく、北海道の「洞爺湖町」、ならびにエコールの社長・クリムゾン真鍋氏に取材を敢行することに。
その結果、ダニーとグレッグも驚きの、衝撃的事実が多数明らかになったのだ…。
今回話題となった写真は、北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉の「とうや湖ぐるっと彫刻公園」内で撮影されたもの。
撮影の経緯について、ポスト投稿主・tk_nzさんは「北海道旅行を計画中に札幌~函館間の移動ルートでどこか良い観光場所はないかと、ツイッターXに投稿したところ、ゲーム仲間から『エコールソフトウェアのロゴでしょ』との提案があり、軽く調べたところ伝説のクソゲー『デスクリムゾン』の会社ロゴのもとになったオブジェが洞爺湖にあるということが分かり、興味を持ちました」と振り返る。
幸いにも付近にホテルをとっていたため、時間を見て現地へ行ってみることに。実物を見て「なぜ、このシュールなオブジェを会社のロゴに使ったんだろう?」と、非常に不思議な気分になったという。