■運転手の労働実態
年間960時間という時間外労働規制を月単位に換算すると、80時間となる。一方で法定労働時間が週40時間×4.3週=172時間、休憩時間が1日時間×22日=22時間となり合計274時間である。これまでは、繁忙期には275時間を超える事業者が全体の約3分の1というのが実態である。
また、勤務間インターバルは、従来は継続8時間以上確保とされていたのが、11時間以上の努力義務、最低9時間となる。この休憩時間の延長によって、運行計画の見直しが必要となる。たとえば、今まで2日で済んだ荷物の到達時間が3日かかるということになるからである。
さらに運転手から見れば、残業規制は収入源につながるということにもなる。それは、運転手不足をさらに悪化させることになってしまう。今でも、トラック運転手の年間所得は、全産業の平均と比べて、大型トラックで26万円、中小型トラックで58万円低い。