人々の健康をむしばむ「見えない毒」
問題は、その見た目の悪さだけではない。ゴミの山は周辺住民の健康にも深刻な影響を及ぼしている。埋立地から発生する有毒ガスは空気を汚染し、地下水にも汚染物質が流れ込んでいる。そして、発火の危険性も常に付きまとう。ひとたび火がつけば、有害な煙が発生し、周辺住民の呼吸器系の健康被害を引き起こすのだ。
地元で14年間診療を続けている医師、アルシャド・カーン氏は、この状況を「じわじわと人々を毒している」と警鐘を鳴らす。
「空気中に混じった毒が住民の体内に入り込み、免疫力を低下させています。そのせいで、薬も本来の効果を発揮しにくくなっているのです」(アルシャド氏)