今般、政治経験がほぼない首相が誕生したわけですが、2回で合計12年にわたる中央銀行総裁を経ており、特に英国にいた際には欧州との絡みも多く、キーパーソンとの接点も多かったはずで人脈は相当築いているはずです。普段は笑うところを見たことがないのですが、当地の報道によると実は非常にユーモラスな性格だそうです。

党首選で86%という圧勝の支持率をもたらしたものは何だったのでしょうか?単に対抗馬とされるフリーランド元副首相がトルドー氏と二人三脚だった時代が長かったことでトルドー氏のやり方を継承することを敬遠されただけでしょうか?個人的には党員がカーニー氏のその実績と手腕を評価し期待したのだと思います。

選挙戦の際はほとんどインタビューを受けておらず、明白なポリシー、特にアメリカの関税措置についてどう対処するのか不明瞭ですが、カーニー氏は既に大枠の戦略を立てていると見ます。

まずは組閣を行い、その上で野党の保守党から出される内閣不信任案を受けた解散総選挙となるのでしょう。現状、野党保守党がトランプ氏追随型ですが、カナダ人は歴史的にアメリカ人とは明白な精神的バリアがあります。国際関係論や国際文化論では必須のアイテムで私もカナダに来てすぐに紐解いたのがこの分野です。日本の方から見ればそれこそトランプ氏のいう51番目の州ぐらいにしか見えないと思いますがそこにはナイアガラの滝で分断されている両国の国境と同じぐらい深い溝があるのです。

私はトルドー氏の辞任表明後、党首選はフリーランド氏とカーニー氏の実質一騎打ちになり、初期の世論調査ではフリーランド氏有利だったもののカーニー氏が首相になればよいとこのブログに記しています。理由はトランプ氏と真逆の性格でトランプ氏がやりにくい相手になると見たからです。カーニー氏は秩序立てて物事を考える極めて実務的で現実的な仕事をしてきています。関税がどのような影響を及ぼすかは金融の世界に長かったこともあり、世界で最もその意味を理解している一人のはずです。また欧州とのコネクションも強いことから欧州からのバックアップも取りやすいでしょう。