こちらの図のAはフエルタス神父が化石から描いた新種の復元イメージで、B・Cは別種の「スフェノフィラム・エマルギナトゥム(Sphenophyllum emarginatum)」の実際の化石です。

これらを見比べてみると、確かに似ていますね。

A:神父が描いた化石の復元図、BC:その近縁種と予想された「スフェノフィラム・エマルギナトゥム」の化石
A:神父が描いた化石の復元図、BC:その近縁種と予想された「スフェノフィラム・エマルギナトゥム」の化石 / Credit: Héctor D. Palma-Castro et al., Palaeontologia Electronica(2023)

しかし、シカゴ・フィールド自然史博物館(Field Museum)のファビアニー・ヘレーラ(Fabiany Herrera)氏と、彼の教え子であるコロンビア国立大のヘクトル・パルマ=カストロ(Héctor Palma-Castro)氏は、この化石を見て疑問に思いました。

ヘレーラ氏はこう話します。

「コロンビア国立大学の化石コレクションに行ってこの植物化石を見たのですが、写真を撮った瞬間に『これは変だ』と思いました。

確かにスフェノフィラム属の植物には似ていますが、その表面の模様は葉脈には見えなかったのです。むしろ何かの生物の骨のように見えました」

こちらが実際の化石の写真です。

フエルタス神父が見つけた化石。葉脈ではなく、何かの骨のように見える?
フエルタス神父が見つけた化石。葉脈ではなく、何かの骨のように見える? / Credit: Héctor D. Palma-Castro et al., Palaeontologia Electronica(2023)

現にフエルタス神父が植物として新種記載したときにも疑いの声は上がっていたという。

というのも、スフェノフィラム属はデボン紀〜三畳紀にかけて繁栄した陸生植物であり、それから1億年以上経った白亜紀(つまり化石が見つかった地層の年代)にはすでに絶滅していたからです。

そこでヘレーラ氏はかつての同僚であり、古生物に詳しいコロンビア・ロサリオ大学(UNR)のエドウィン=アルベルト・カデナ(Edwin-Alberto Cadena)氏に連絡を取り、再調査を行いました。

白亜紀にいた「カメの赤ちゃん」の化石だった!