X線で調べてみると、3Gのバッタにおいて外骨格や脚の強度が最大化し、折れにくくなっていたのです。
例えば、外骨格のクチクラ層は「外クチクラ(exocuticle)」と「内クチクラ(endocuticle)」に2つに分けられますが、3Gのバッタで内クチクラが最も厚くなっていました。
外クチクラでは有意な差が見られていません。
一方で、5Gと8Gのバッタでは明らかに外骨格が薄くなっていました。

加えて、弾性力を示す「ヤング率(Young’s modulus:材料が受ける力に対して元に戻ろうとする力)」を調べたところ、3Gのバッタの脚においてヤング率が最大化していました。
1Gに比べると、約67%の増加となっています。

実験後のバッタたちの身体能力までは測定されていませんが、これらの結果は3Gの過重力においてバッタが最も強靭化し、5G以上では逆に弱体化することを示すものです。
こうした重力の違いによる身体変化の仕組みはまだ解明されていないものの、研究者らは昆虫の外骨格が、過重力に予想以上に短期間のうちに適応できることを示した貴重な成果だと述べています。
3Gのバッタのジャンプ力などが実際に上がったのかも気になるところですが、チームは今後、カニを含む他の節足動物でも同様の結果が得られるかを実験する予定とのこと。
その結果次第では、生物の身体能力を高める重力トレーニングの方法が確立できるかもしれません。