研究では被験者を集めて実際に「e-Taste」を使った感覚がどうであるかをテストしています。
実験には20~45歳の被験者が参加し、単味認識テストと混合味認識テストの二種類の試験が実施されました。
まずはこのシステムが単純に味の強度を正しく再現できているか調べた単味認識テスト。
このテストでは、まず被験者に異なる濃度のクエン酸溶液を試飲してもらい、その酸味の強さを評価しました。
その後、e-Tasteが再現した同じ強度の酸味を体験してもらい、両者の感じ方の一致度を調査しました。
この結果、e-Tasteが再現する酸味は、実際のクエン酸溶液とほぼ一致しており、味覚のデジタル再現の精度が高いことが証明されました。
もう1つは複雑な食べ物の味を実際に再現した、混合味認識テストです。
このテストではレモネードやケーキ、目玉焼き、コーヒー、魚のスープなどの味をe-Tasteで再現し、どの食品に近いかを被験者に識別させる試験が行われました。

その結果、被験者が正しく味を認識できた確率は86.7%という高い精度を示しました。
一方で、被験者からは「香りや食感が欠けているため、よりリアルな食体験にはさらなる改良が必要」との意見を受けたという。
今後の展望と課題
こうした技術の発展により、食に関する新たな体験が生まれるかもしれません。
現在は音楽や映画は、ネット上で配信できサブスクで自由に楽しめる時代になりました。
音や光と同様に、味もデジタル情報として共有し、高い精度で再現できるようになれば、例えば、ネットショッピングで食品を購入する前に、その味を試す「デジタル試食」や、VRやARの世界で食事の味を体験する新たなエンターテインメントが実現するかもしれません。
