アメリカのロチェスター大学(UR)など複数機関の共同研究によって、光がわずか数百ナノメートル幅の三つのスリットを通過する際に、隣接するスリットの近くへまるでループを描くかのように回り込みながら、干渉パターンを形成する不思議な現象が初めて明確に示されました。
従来の二重スリット実験以上に複雑な経路の重ね合わせが観測されたことで、量子力学の根幹であるボルン則があらためて検証されると同時に、近接場(ナノスケールの電磁場)の寄与が思いのほか大きいことも判明し、量子光学の理解を大きく進める結果となりそうです。
いったいこの“三重スリット”の実験は、私たちの常識をどのように覆すのでしょうか?
研究内容の詳細は『Nature Communications』にて発表されました。
目次
- 二重スリットを超えて—量子の深淵を覗く三つ目のスリット
- 三重スリットでループする光たち
- 五重スリットはさらにヤバい?広がる量子干渉の可能性
二重スリットを超えて—量子の深淵を覗く三つ目のスリット
