そこで研究チームは、SNS使用中と使用停止後の体の生理的変化を調べることで、「SNSが本当に依存症のような影響を持つのか?」という疑問に取り組みました。

SNSを中断すると発汗量が増え、ストレス反応が生じる

この研究では、18〜30歳のInstagramユーザー54人を対象に、次の3つのフェーズで心拍数と発汗量(皮膚の電気伝導性)を測定しました。

1:スマホでニュース記事を読む(通常時の生理反応を測定)

2:Instagramを15分間閲覧

3:SNSをやめて再びニュースを読む(使用停止後の変化を測定)

その結果、Instagram使用中は心拍数が低下し、発汗量が上昇していることがわかりました。

研究者によると、これは被験者がSNSに強く没入し、興奮と快楽を感じている状態を示していると言います。

ところがSNSの使用をやめた直後に心拍数が上昇した上で、発汗量がさらに増加していました。

これは身体的にストレスや不安感が高まっている状態を指しているのです。

特に、SNS使用後に「ストレスを感じる」と報告した参加者の数が増加し、一部の人は「もっとSNSを使いたい」という渇望感(クレービング)も示していました。

画像
Credit: canva

また興味深いことに、「問題のあるSNS使用者(SNS依存傾向が高い人)」と「通常のSNSユーザー」の間で、生理的反応の違いはほとんど見られていません。

つまり、これはSNSが特定の人にのみ依存的な影響を与えるのではなく、誰にでも同じような生理的変化を引き起こす可能性があるということです。

この研究は、SNSが「人間の生理的反応」に与える影響を科学的に解明した貴重な成果です。

SNSを使用している間は脳の報酬系が刺激されて、快楽や興奮が湧き上がりますが、SNS使用を中断した途端にストレス反応や渇望感が起きる可能性が、現代人にはあると考えられます。

これは依存症とよく似た反応です。