1回目の手術では、次のような工程が進められます。

1:患者の歯(通常は犬歯)を抜歯し、四角い形状に削る

2:レンズを埋め込むための小さな穴を開ける

3:患者の目の傷ついた瘢痕組織を取り除き、頬の内側から採取した柔らかい粘膜で覆う

4:歯とレンズを頬の内側に移植し、数カ月間成長を待つ

このように、最初の手術では「目ではなく、頬の中で歯を育てる」という工程が特徴です。

そして数カ月後、2回目の手術が行われます。

このとき、頬の内側で成長した歯を取り出し、それを目の前面に移植するのです。

最終的に、患者の目は「ピンク色の目に小さな黒い円がある」ような見た目になりますが、その黒い部分を通して光が入り、視力が回復するのです。

(※ こちらが実際の画像になりますが、かなり刺激的な内容ですので、苦手な方は見ないことをおすすめします)

この手術は高い成功率を誇っていますが、完全にリスクがないわけではありません。

例えば、移植に伴う眼内感染のリスク、手術が成功しても時間が経つと視力が再び低下する可能性、2回にわたる手術の負担などがあります。

それでも視力を完全に失っている患者にとっては「最後の希望」となる手術であり、これまで他の治療法が効果を示さなかった患者にとって大きなチャンスとなるのです。

カナダのマウント・セント・ジョセフ病院(MSJ)は今回、同国内で初となるトゥース・イン・アイ手術を3名の患者に実施し、1回目の手術を無事に成功させました。

患者らは数カ月後に2度目の手術を受ける予定です。

手術を指揮したのはオーストラリアから招聘された眼科医のグレッグ・モロニー医師で、彼は自国ですでに7件のトゥース・イン・アイ手術を成功させた実績がありました。

また手術を受けた患者の一人であるブレント・チャップマンさんは「自分の歯を目に埋め込んで視力を回復させるというアイデアを提案されたとき、少し不安に感じた」と話します。