英国のグルーミング・ギャング問題で、2つ、注目するべき点があります。
まず、「アジア系(パキスタン系)による犯罪」という見方が固定されたため、警察などが「捜査に及び腰になったのではないか」という疑惑です。「人種差別と見なされては困る」という点です。
もう一つは、こちらがまさに「グルーミング」と直結する部分なのですが、「未成年者の証言を警察やほか当局側が真剣に受け取らなかった」点です。ほかの児童に対する性犯罪にも共通する問題です。グルーミングされていたり、まだ幼くて知識がなかったりするので虐待を受けても、それが虐待だと気づかないことがあります。声を上げても大人がまともに受け取ってくれなかったそうです。声を上げること自体にもかなりの勇気が必要です。
今回の一件によって、よりよい解決方法や防止策に結びつくことを強く願っています。
キーワード
Glooming Gang(グルーミング・ギャング) 性的虐待を目的に児童に近づき、信頼関係を築いて性犯罪を行う集団。英中部ロザラム、北部オールダム、ロッチデイルなどで発覚。英ストクラスクライド大学のアレクシス・ジェイ教授が主導した2014年の調査では、少なくとも1400人の子どもたちがロザラムでグルーミング・ギャングから性的搾取を受けた。
※「英国ニュースダイジェスト」に掲載されている筆者のコラムに補足しました。
編集部より:この記事は、在英ジャーナリスト小林恭子氏のブログ「英国メディア・ウオッチ」2025年2月26日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「英国メディア・ウオッチ」をご覧ください。