参院選まで石破氏は多党連携でやりくりするつもりでしょう。党内もそれが分かっているので、石破降しは実現しなかったのではないでしょうか。
ナベツネさのお別れの会の直後、新聞の首相動静欄を読むと、「首相と読売・山口社長が西麻布のレストランで会食(2月27日)」とありました。お別れの会の参列のお礼なら短時間の挨拶でいいはずです。石破氏は会食が嫌いなのに、なぜまた、激烈な石破退陣社説を掲載した読売社長を招いたのか。不思議でした。
メディアとの会食を好んだのは安倍・元首相でした。就任後2か月の会食は、安倍氏31回、菅氏68回、岸田氏10回、石破氏9回(産経新聞)だそうです。最高権力者との個別の会食は要注意です。権力と適正な距離を保つことがメディアの必須の条件なのに、いつの間にか応援団に引き込まれる。取材ならともかく、首相動静欄に掲載されるような個別の会食は、社内の記者はいろいろ忖度するでしょう。
読売社説(2月28日)は旧安倍派参考人聴取を取り上げ、「政治資金規正法は『政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金収支の公開によって『公明と公正を確保する』と、定めている」と指摘しています。「国民の不断の監視と批判」はメディアにも求められていると思います。
編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2025年3月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。