当然、これは単純計算で1週間に6時間40分も通勤に費やしていることになり、これはほぼ丸一日追加で働いているのとかわりません。

ちなみに、日本で最も通勤・通学時間が長い都道府県は神奈川県(1時間40分)であり、2位は千葉県と東京都(1時間35分)でした。
最下位は山形県と宮崎県ですが、それでも56分を通勤・通学に費やしています。
これでは、多くの人が「毎日が短い睡眠と長い通勤・仕事の繰り返しで疲れ果てている」のも不思議ではないですね。
そして、お隣の韓国もまた、通勤時間が長い国として有名です。
イ・ドンウク氏ら研究チームによると、韓国はOECD(国際経済全般について協議することを目的とした国際機関)加盟国の中で、最も平均通勤時間が長く、抑うつ症状を経験する人の割合が多いようです。
しかし、これまでアジア人を対象とした「長時間通勤が健康に与える影響」を調べた研究はほとんどありません。
そこで今回、イ・ドンウク氏ら研究チームは、韓国における平均通勤時間とメンタルヘルスの関係を調査・分析することにしました。
通勤時間が長いとメンタルヘルスが悪化しやすい
研究チームは、2万3415人の労働者(20~59歳)を対象に、2017年に実施された「第5回韓国労働条件調査(KWCS)」のデータを分析しました。
また参加者たちは、うつ病のスクリーニングツールとして広く受け入れられている「WHO-5精神的健康状態表」の質問に回答しており、チームはそこからメンタルヘルスの状態を分析しました。
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「WHO-5精神的健康状態表」の中には、「明るく、楽しい気分で過ごした」「ぐっすりと休め、気持ちよくめざめた」「日常生活の中に、興味のあることがたくさんあった」などの項目があり、参加者は0~5段階で回答します。