1つ目の実験では、303人の参加者を集めました。
彼らにカメラの前に座ってもらい、「笑顔」になるようお願いし、それらを撮影。
研究チームは、使用される表情筋の違いや特徴を分析しました。
そして参加者たちには、いくつかの性格診断の質問票を用いて、その人が持つ特性を明らかにしました。(すべて自己申告によるものです)
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その結果、温かく誠実で、攻撃的でないなどの特性を示す人の多くは、自然と「デュシェンヌ・スマイル(Duchenne smile)」をすると分かりました。
デュシェンヌ・スマイルとは19世紀のフランスの神経科学者にちなんでつけられた名称で、「本物の笑顔」のことを指します。
これは、口角や頬が上がり、目が細くなる喜びを表現した笑顔であり、いわゆる「作り笑顔」とは大きく異なります。
一方で、自分が冷たい性格だと感じている人は、簡単にデュシェンヌ・スマイルを作ることができませんでした。
ウィトコワー氏も「彼らは、左右非対称の笑顔を見せたり、目の筋肉をあまり動かさずに口角だけで笑ったりする」と述べています。
この研究から「笑顔」の種類は様々ですが、その笑顔には、その人の性格が現れると分かります。
では、研究者以外の一般人でも、相手の笑顔に隠された「本当の顔」を見極めることができるのでしょうか。
人は、無表情の顔写真よりも笑顔の顔写真を見た時の方が、より正確に相手の性格を推定できる
2つ目の実験では、987人の参加者を募集し、彼らに1つ目の実験で撮影した「笑顔の顔写真」と「無表情の(中立的な)写真」を見てもらいました。
そして、それらの写真から、その人の性格特性(温かさ、信頼性、誠実さ、攻撃性、傲慢さなど)を推定するよう求めました。
これにより、1つ目の研究で得られたその人の「本当の性格特性」と「他者が推定する性格特性」を比べることができます。
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