「この人の笑顔は怖い」「顔は笑っているのに目が笑っていない」などと感じたことはないでしょうか。

基本的に笑顔はポジティブな感情の表現であるはずなのに、私たちは、なんとなく笑顔の裏にある相手の「本当の顔(つまり特性)」に気づくときがあります

オランダのアムステルダム大学(University of Amsterdam)心理学部に所属するザカリー・ウィトコワー氏ら研究チームは、このような私たちの感覚を裏付ける研究結果を発表しました。

私たちは、笑顔の顔写真から、その人の主要な性格特性を想像以上に正確に推定できると分かったのです。

なぜ多様な感情のうちのポジティブな面しか表現しないはずの笑顔から、その人の性格が予想できるのでしょうか?

研究の詳細は、2024年8月22日付の学術誌『PNAS Nexus』に掲載されました。

目次

  • 笑顔にはその人の性格特性がにじみ出る
  • 人は、無表情の顔写真よりも笑顔の顔写真を見た時の方が、より正確に相手の性格を推定できる

笑顔にはその人の性格特性がにじみ出る

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様々な場面で目にする「笑顔」 / Credit:Canva

笑顔は様々な場面で見られます。

例えば、私たちは嬉しいことがあったり楽しい経験をしたりすると、自然と笑顔になります。

また、誰かと挨拶を交わしたり、友人と会話を楽しんだりする時など、他者とコミュニケーションを取る際にも笑顔が使われます。

さらに、社交的な場面で礼儀として笑顔を作る場合もあるでしょう。

加えて、運転免許証、マイナンバーカード、パスポートからマッチングアプリに至るまで、顔写真を撮る機会があり、それに笑顔で写ることもあるはずです。

では、このように日常的によく見られる「笑顔」から、私たちは相手に関してどの程度の情報を得ているのでしょうか。

「笑顔に騙される」なんてことはあるのでしょうか。

今回、ウィトコワー氏ら研究チームは、笑顔にはその人の性格特性がどの程度反映されるか調べることにしました。