なぜ、ラー博? 館長だから伝えたいこと(※本書まえがきより)
 皆さん、こんにちは。新横浜ラーメン博物館(以下、「ラー博」と記載)の館長を務めております岩岡洋志と申します。ラー博では30周年企画として、過去に出店した36店舗の銘店を2年間かけ、リレー形式で出店するプロジェクト「あの銘店をもう一度」を2022年7月1日にスタートしました。
 本書は「あの銘店をもう一度」に出店した各店のバックストーリーです。食のニュースサイト『おとなの週末Webて1年余り連載してきたものを加筆・再編集し、さらに出店中のレギュラー店、紹介できなかったお店のエピソードも追加し1冊にまとめたものです。

来館者総数は30年で、3000万人!『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』 発売!!
(画像=岩岡洋志・新横浜ラーメン博物館館長(写真右)、『PR TIMES』より 引用)

ラーメンの博物館は「全員反対」からのスタート
 誰もがラー博が30年続くとは考えていなかったと思います。1990年3月にプロジェクトがスタートする前、家族、友人、関係者に話をしましたが、みんな反対でした。当時の新横浜(横浜市港北区)は開発が進んできたものの、まだ空き地が目立ち、休日には人がいない状況です。それに、バブル経済の影響もあり、「新しいもの、近代的なデザイン」に目が向いている時代でした。
 そんな状況下にラー博が掲げたコンセプトは、「誰もが知る大衆的な食べ物の”ラーメン”」「昭和33年の風景」「博物館」――。すべてが時代に逆行した内容でした。
”みんな反対”のなかにあっても、私は、自分にとって価値がある、よいと思うものを信じようとしました。この「自分の考えが信じられるのか……」という煩悶を経て、若さゆえの勘違いと自信もありましたが、あふれて枯れることのない泉のような情熱だけで、企画の実施を決断しました。

来館者総数は30年で、3000万人!『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』 発売!!
(画像=1994年当時の行列の様子、『PR TIMES』より 引用)

30年間で50店以上の有名ラーメン店が出店
 こうして自分で企画のゴーサインを出したわけですが、実施にあたって、父親より条件が提示されました。それはラー博に、全国のラーメン店が出店してくれることです。シンプルで一番の肝になるポイントが条件でした。有名ラーメン店の誘致は、当時30代前半の私には、“芸能人に素人の私がプロポーズするようなもの”で、誘致から出店契約締結までには、大変な困難を伴います。

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(画像=『PR TIMES』より 引用)

ラー博30周年企画からレギュラー店で復活した「六角家1994+」。創業者の神藤隆さん(故人)の姪、露木あゆみさん(中央)と神藤さんの弟、神藤誠さん(左)の協力を得ての復活だった(写真右は岩岡館長)

 最初は、お会いするのにひと苦労。断られて当たり前、名前を知ってもらえればラッキーという状態でした。そこから、次第に気にかけていただけるようになり出店へと進めていくことができました。
 そして、この30年間で、50店以上もの店主に”プロポーズ”し、結婚(出店契約)へと至ったのです。

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(画像=オープン当初の街並、『PR TIMES』より 引用)

託した思いは、ラーメンの食文化を伝え残す
「ラーメンの博物館」とは、どういうところなのか。皆さんがどう感じられていたかはわかりませんが、私は至極まじめに考えていました。それは、次のようなことです。
 ●全国の有名なラーメン店が一堂に会し、そのラーメンを食べることができる。
 ●そして各地域に根づいたラーメンの食文化を知ることができる。
 ●たかがラーメン、されどラーメン。
 このことを強く伝えたかったのです。

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(画像=新横浜ラーメン博物館外観、『PR TIMES』より 引用)

30年間のラー博レガシーを常時公開へ
 ラー博開業前から各地のラーメン店誘致に出向いていた私は、各ラーメン店のご主人に、ラーメン店を始めた経緯や、地域でどのように広まっていったのかを、詳しく聞いてきました。そして、ラーメン文化を広げた1910年(明治43年)創業の「淺草來々軒」や、味噌ラーメン発祥のお店「味の三平」といったラーメンの歴史上欠かせないお店の末裔たちへのインタビューや映像の収録、インタビュー内容の裏付け調査などを経て、ラー博で公開(一部は未公開)してきました。
 これらも30年間の大切な“レガシー”です。ラー博に来ていただければ、これらの記録に常時ふれられる状態となることが、私の希望です。博物館内でアーカイブの閲覧や、数種類の映像を選択して視聴できるような仕組み、時代背景と並列した展示などを考えています。
 食文化は伝え残すことが重要です。これは、引き続き進めていかなければならない、ラー博の重要事項でもあります。最終的には100年、200年先までも残るような本にまとめ、国立国会図書館に収蔵いただくことが、私のラー博人生の集大成と考えています。
 それではラー博に出店してきた各店のバックストーリーをご覧ください。まさに、ラーメンと人の織り成す物語で、私にとってはすべてが宝物。どの店にも私の思いと、思い出があります。

新横浜ラーメン博物館館長 岩岡洋志

来館者総数は30年で、3000万人!『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』 発売!!
(画像=『PR TIMES』より 引用)

【著者プロフィール】
岩岡洋志(いわおか ようじ)
新横浜ラーメン博物館館長。1959年、横浜市港北区に生まれる。1982年、青山学院大学卒業後、紙専門商社を経て家業の不動産会社「興新ビル」に入社。1993年「株式会社新横浜ラーメン博物館」を設立し、代表取締役就任。1994年3月6日に、世界初のラーメン・アミューズメントパーク「新横浜ラーメン博物館」をオープン。全国のご当地ラーメンや、行列有名店の一杯を味わえるだけでなく、食文化としてのラーメンを〝見て、知って、体験できるミュージアム″として発展させる。2024年までの開業30年間で50店超の有名ラーメン店を招致し、来館者総数は3000万人を超えた。これまでに食べたラーメンは1万杯を超える。

【商品概要】
書名:ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53
定価:本体1600円(税別)
発売日:2025年2月20日(木)
判型/ページ:A5判/176ページ
ISBN: 978-4-06-537990-5
発行:講談社ビーシー/講談社
amzn.asia/d/0r6bxTm

■目次

第1章 ‘94年出店 最初の7店
北海道・札幌「すみれ」
門外不出の味! 札幌「すみれ」の味噌ラーメンが、
横浜で味わえるまでの3年間の軌跡

東京・目黒「支那そば 勝丸」
軽トラ屋台から出発した東京・目黒「支那そば 勝丸」。
画期的だった煮干しラーメンを育てた職人歴50年の心意気

東京・新高円寺「げんこつ屋」
白湯スープに、マグロのダシがきいた上品なラーメン。
倒産したおしゃれ人気店「げんこつ屋」が、二代目の思いで復活

東京・中野「野方ホープ」
環七ラーメン対決を勝ち抜いた「野方ホープ」。
背油ラーメンを育んだシングルマザーの夢の続き

福島「喜多方 大安食堂」
ラー博出店最年長は「喜多方 大安食堂」。
80代現役店主が生み出す正統派喜多方ラーメン

福岡「一風堂」
今や国内外270店を展開する「一風堂」。
まだ1店しかないときに、ラー博への出店を声がけし……

神奈川・横浜「六角家」
ラー博開店時にも出店した゛家系ラーメン”の横浜「六角家」。
創業者の遺志を継ぐ理想のスープでレギュラー店に復活 "″

第2章 「あの銘店」第1~8弾 
「和歌山中華そば 井出商店」/福島・会津「牛乳屋食堂」/埼玉・川越「頑者」/福井・敦賀「中華そば 一力」/静岡・伊豆「あまからや」/岡山・笠岡「中華そば坂本」/北海道・札幌「名人の味 らーめん爐(いろり)」/福岡「久留米 大砲ラーメン」

第3章 「あの銘店」第9~15弾 
青森「八戸麺道 大陸」/高知・須崎「谷口食堂」/東京・渋谷「麺の坊 砦」/岐阜「飛騨高山 やよいそば」/福岡「元祖 名島亭」/北海道「新・函館ラーメン マメさん」/神奈川・横浜「支那そばや」

第4章 「あの銘店」第16~22弾 
アメリカ・ロサンゼルス「IKEMEN HOLLYWOOD」/イタリア・ミラノ「CASA LUCA」/佐賀・唐津「らぁ麺むらまさ」/京都「新福菜館」/アメリカ・ニューヨーク「YUJI RAMEN」/福岡「ふくちゃんラーメン」/福岡「魁龍 博多本店」

第5章 「あの銘店」第23~29弾 
宮城・気仙沼「かもめ食堂」/北海道・旭川「蜂屋」/北海道「札幌味噌拉麺専門店 けやき」?/ドイツ・フランクフルト「無垢ツヴァイテ」/福島「春木屋郡山分店」/カナダ・トロント「RYUS NOODLE BAR」/岩手・久慈「らーめんの千草」


ラー博30年 RAMEN LINE UP!

愛されレギュラー店
熊本「こむらさき」/山形・赤湯「龍上海本店」/沖縄「琉球新麺通堂」/利尻島「利尻らーめん味楽」東京「淺草來々軒」/福岡「博多一双」 

ワケあり「あの銘店」
「幻のラーメン匠」/北海道「旭川らぅめん青葉」/徳島「中華そば いのたに」/「らーはく厨房」/「らーめんの駅」/「麺翁百福亭」/「NARUMIーIPPUDO」/福岡「八ちゃんラーメン」

「ラーメン登龍門」発
「手打ち麺 あお井」/東京「らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵」/福岡「博多文福」

提供元・PR TIMES

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