トランプ氏の関税が仮に発動されれば高いお金を払うのはアメリカ消費者であることをトランプ氏が気がついていないはずはありません。関税は確かに税務当局にとり税収増になりますが、輸入する企業はその負担をカバーするためにエンド価格を引き上げます。すると消費者は関税分高いものを買わされるわけで関税は誰が払っているのか、といえば実質アメリカ国民が払うことになるのです。
これをするとアメリカがスタグフレーションになるリスクが高まってしまいます。こうなれば金融政策のかじ取りは異様に難しくなると同時にアメリカ株式市場から資金は流出しやすくなります。ドルも下落しやすくなるのでドル建て表示の資源や商品価格は上昇しやすくなります。金(ゴールド)が買われやすいのはここにも要因があると思います。
2025年のアメリカ経済の見通しは修正すべきか、の答えはYESです。ただし、どのように下方修正するかはトランプ氏次第ということになります。個人的にはトランプ氏の破壊的関税の脅しは半分以上が却下されるか、実施されないとみています。トランプ人気は思った以上に急落するように見え、そうなれば次回の大統領選挙まで極めて長い冴えないアメリカの時代を迎える可能性もあるかもしれません。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年2月26日の記事より転載させていただきました。