NATOに対抗して1956年に発足したのが、「ワルシャワ条約機構」(本部モスクワ)である。しかし、1989年の冷戦終結から東欧革命がはじまり、1991年には解散してしまう。同年末、ソ連が崩壊した。(ちなみに、ロシアのプーチン氏の頭の中には冷戦構造がまだ生きているといわれている。ソ連及び東欧圏の崩壊を残念に思っているのもプーチン氏である。)

1940年代後半から1989-90年まで続いた東西の冷戦で、「西側陣営」という枠組みの中で米国と欧州(特に西欧)は一心同体だった。英語で「theWest(西側)」と言えば、西欧ばかりではなく米国も含む。日本でいうところの「欧米」にあたる。

「米国抜きの西側」というのは文化、歴史、貿易や軍事戦略的にはあり得ない。少なくともそれが、第2次大戦後からこれまでの共通認識だった。

「対ソ連共産圏」、そしてソ連崩壊後は「対ロシア圏」に対して米国とともに向き合う想定でやってきたNATOにとって、「欧州のことは自分たちで」「米国は軍隊を派遣しないから」と急に言われても、反応に窮してしまう。

NATO加盟国とは

NATOの加盟国は、現在32カ国に上る。

ベルギー、カナダ、デンマーク、仏、アイスランド、伊、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、英、米(以上、原加盟国12か国)、ギリシャ、トルコ(1952年2月)、独(1955年5月当時「西独」)、スペイン(1982年5月)、チェコ、ハンガリー、ポーランド(以上1999年3月)、バルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)、スロバキア、スロベニア、ブルガリア、ルーマニア(以上2004年3月)、アルバニア、クロアチア(以上2009年4月)、モンテネグロ(2017年)、北マケドニア(2020年)、フィンランド(2023年)、スウェーデン(2024年)である。

米国抜きでウクライナは勝てるのか?

米国からの財政及び軍事支援がなくなったら、ウクライナは戦争に勝てるのだろうか?