結果、155個中44個の遺伝子が、培養細胞の増殖に何らかの影響を与えることが判明します。

次に研究者たちは155個の遺伝子が人間の病気にかかわるかどうかを調べました。

すると、そのうちの3つが筋ジストロフィー、網膜色素変性症、アラザミ症候群などと関係(1塩基多型)があることが判明します。

これらの結果は、ジャンクDNAから出現した遺伝子が現在の人間の細胞の中でも、何らかの役割を果たしており、病気にも関連し得る可能性を示します。

現在、ジャンクDNA領域から新しい遺伝子がどのようにして自然発生するかのメカニズムは解明されていませんが、調査方法が洗練されることで、解明に近づけるかもしれません。

最後に研究者たちは「ヒトゲノムにはまだ多くの解明すべき機能が隠されている」と述べました。

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参考文献

Humans continue to evolve: Study tracks the emergence of 155 new genes
https://phys.org/news/2022-12-humans-evolve-tracks-emergence-genes.html

元論文

De novo birth of functional microproteins in the human lineage
https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(22)01696-5#%20

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部