「今のスマホもまだ十分使えるし、そのお金を投資に回せば将来的にもっと大きなリターンが得られるかもしれない」そう判断して、購入を見送るのです。

このように、お金を使う際、一旦立ち止まって長期的な視点を持つことができるのが、成功者の脳の特徴です。

浪費しやすい人の脳

一方で、浪費しやすい人は 大脳辺縁系(Limbic System) の活動が強いことが分かっています。

大脳辺縁系は 本能的な欲求や感情のコントロール に関わる部分であり、例えば「今すぐ欲しい」「楽しいことをしたい」「リスクを考えず衝動的に行動する」といった反応を引き起こします。

そのため、当てはまる人には次のような特徴があります。

  • 短期的な満足を優先してしまう。
  • SALEや限定商品に飛びつきやすい。
  • 目の前のお金をすぐ使ってしまう。

例えば、花子さんはボーナスをもらったその日のうちに、デパートで見つけたブランドバッグを即決で購入します。

「限定商品だから、今買わなきゃ損!」と感じたのです。

しかし、その後すぐにクレジットカードの請求を見て後悔します。

「旅行に行くために貯金しようと思っていたのに…」と嘆きますが、後の祭りです。

このように、長期的な計画を忘れて衝動的にお金を使うことが浪費しやすい脳の特徴です。

この違いが、 貯蓄や投資が得意な人と、浪費してしまう人の差 を生み出しているのです。

お金持ち脳を育てる3つのトレーニング方法

では、「お金持ちの脳」を鍛えることはできるのでしょうか?

研究によれば、 前頭前野の働きを意識的に鍛えることで、金銭的な意思決定能力を高めることが可能 だといいます。

以下の3つの方法が有効とされています。

Credit:canva

① 「時間割引」の意識を変える

人は目の前の報酬を過大評価し、将来の利益を軽視しがちです。

これを「時間割引(Temporal Discounting)」と呼びます。

例えば、「今すぐ5万円使って旅行する」よりも、「半年後に5万円を投資して6万円に増やす」といった選択を意識することで、前頭前野の活動が高まり、長期的なリターンを優先できるようになります。

② 「使う」前に「考える」習慣をつける