「なかよくなる」ということは、自分と他人の神経活動リズムを一致させることからはじまるのかもしれません。
研究者たちは今後、この光刺激装置をマウスの様々な脳領域に適応することで、社会的関係性以外のさまざまな精神活動の制御を目指していくとのこと。
もし人間に対しても制御が実現すれば、どんなに気に入らない人とも大親友になれるだけでなく、場面に応じて最適の精神状態に自分を変化させられるかもしれません。
ただ光刺激装置を使うには、マウスに行ったように脳細胞の遺伝子の後天的な書き換えが必要になるため、電極を用いた刺激よりもクリアすべき倫理的問題は多くなるでしょう。
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参考文献
Implanted wireless device triggers mice to form instant bond
https://news.northwestern.edu/stories/2021/05/implanted-wireless-device-triggers-mice-to-form-instant-bond/
Scientists remotely controlled the social behavior of mice with light
https://www.sciencenews.org/article/optogenetics-social-behavior-brains-mice-light
元論文
Wireless multilateral devices for optogenetic studies of individual and social behaviors
https://www.nature.com/articles/s41593-021-00849-x
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。