そこで集中力のカギを握るのが、脳内の神経伝達物質「ドーパミン」です。

これは「やる気ホルモン」とも呼ばれ、報酬を得ることで分泌され、モチベーションを高めます。

脳は本質的に「報酬を求める」性質を持っているため、作業そのものが楽しくなれば集中しやすくなるのです。

ではこうした理屈を元に、集中力を日常生活の中で高めるにはどういうことに気をつけていけばいいのでしょうか?

科学が示す集中力を高める3つの方法

ではやる気や集中力を持続させるために、小まめに脳に報酬を与えるというのは具体的にどういうことなのでしょう?

これには、作業を小さなゴールに分けて達成感を得るようにすることが有効です。

脳が「成功体験」として認識し、次のステップへ進む意欲が湧いてくると脳は集中を持続させやすくなります。

例えば、長時間のレポート作成に取り組む場合、「まずは1ページだけ書く」「次は図を挿入する」など、細かく区切ることで進捗を実感しやすくなります。

長い小説を読むのが苦手な人でも、数ページごとに章が区切られている本だと集中して読みやすいと感じることがあるのではないでしょうか? 細かく区切るというのは集中力の維持に重要なことなのです。

また、仕事の後に自分へのご褒美を設定するのも有効です。

例えば、「あと1時間集中して仕事したらお気に入りのカフェでコーヒーを飲む」「3つのタスクを終えたら好きな映画を観る」といったルールを作ると、脳が作業に対するポジティブなイメージを持ちやすくなります。

さらに、ゲーム感覚でタスクを進めるのも効果的です。

例えば、タイマーをセットして「この25分間でどこまで進められるか挑戦してみる」「毎日達成したタスク数を記録し、自己最高記録を更新する」といった方法を取り入れると、集中すること自体が楽しくなり、報酬を意識することで集中力が自然と向上していきます。

「注意リソース」の限界を理解する:「ポモドーロ・テクニック」の活用

集中するリソースには限界がある/Credit:canva