斎藤 ……長くひきこもった人ほど社会復帰へのハードルを上げてしまい、「完璧な大人になってからじゃないと、バカにされるから外へは出られない」と思いがちですが、それだとかえって社会復帰できない。 むしろ「そりゃ、俺にはダメな部分があるんだろう。でも、別にいいじゃん」くらいの、自己肯定感をともなう適切なレベルのあきらめが回復には必要なんです。 (中 略) 圧倒的多数が〔職業科でなく〕普通科の高校に進学し、過半数が大学をめざす日本のキャリアパスは、良くも悪くも万能感――「努力すれば何にでもなれるはずだ」という感覚が温存されやすいシステムになっています。 それが意欲や行動によって支えられていればいいのですが、実際には万能感というものは、人の行動を阻害して無気力化する作用のほうが強いんです。「何にでもなれるはずの俺が、なんでこの程度なんだ。バカバカしい、生きるのは無駄だ」みたいな気持ちを誘発してしまう。

同書、109・113頁

ニセモノみたいに「折々の流行」とべったり寝ないからこそ、社会の潮流が切り替わったとき、「このことを言っていたのか!」とわかる。それがホンモノの言論、ホンモノの書物の醍醐味なんじゃ、ないだろうか。

……で、昨年9月に新潟県でのイベントに招いてくれた、「燕三条カルチベイトチャンネル」のみなさんが、『心を病んだら』を素材に番組を作りたいと声をかけてくれたので、もちろん即OKしました!

なぜ学者は、いくらSNSを使っても世の中をよくできないのか|Yonaha Jun
週末に新潟の温泉旅館・嵐渓荘で開かれたイベント「らんまる」は、最終的に70人近くが宿泊を伴う参加で、大いに盛り上がった(ヘッダー写真は〆の朝食)。個人的にもこんなに素敵な宿に泊めてもらう体験は、もうない気がする。旅館主の大竹啓五さんはじめ運営スタッフのみなさん、参加者のみなさん、心よりありがとうございます。
友...