土木工事をする人なら、大量のセメントを一輪車に入れて「運んでは流し込み、運んでは流し込み……」という作業を繰り返していることでしょう。
1〜2回運ぶだけであれば、そこまで大変には思いませんが、何度も繰り返すうちに腕が疲れ、痺れてくるものです。
また農作業などで重いものや大きいものを載せ過ぎた時には、一輪車を腕でコントロールできなくなり、途中でひっくり返してしまうこともあります。

その時のなんともやるせない気持ちは、思い出したくもありませんね。
このように、「一輪車で運搬する」という作業は、実はかなり過酷です。
しかし長年、一輪車は完全に人力のままでした。
運搬用の一輪車をもっと楽に使う方法はないのでしょうか。
発明家/エンジニアであるモエ・パワー氏も、20年間放置され、木が生い茂っている裏庭の伐採作業に取り掛かろうとした時、同じ気持ちになりました。
そこで彼は、既存の一輪車(ネコ)を電動化するモジュールのプロトタイプを開発し、庭仕事のスピードを大幅に向上させることに成功しました。
そのアイデアは洗練され、今では1つの製品「eBarrow」として、多くの人が入手できるようになっています。
運搬用の一輪車「ネコ」を電動化するeBarrow

モエ・パワー氏が開発した一輪車(ネコ)用モジュールは、「モーター付きの車輪」と「車輪に接続されたバッテリー・電子モジュール」「ハンドルに取り付ける制御スロットル」の3つで構成されています。
これらは工具を使って、従来の一輪車に簡単に取り付けることができ、作業時間はわずか4分です。
