組織的な守備の構築に定評があり、2023年に前任地のアビスパ福岡をYBCルヴァンカップ優勝へ導いた長谷部監督のイズムが、早くも川崎Fに根付いている。今後への期待が膨らむ試合内容だった。
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限られたチャンスを物に
[4-4-2]の守備隊形で自陣にこもったセントラルコーストを相手に攻めあぐねたものの、川崎Fは限られたチャンスを得点に結びつける。
前半35分、味方MF河原創からの縦パスを山内が相手最終ラインと中盤の間で受けると、同選手が鋭いドリブルで敵陣ペナルティエリア右隅へ侵入。山内が相手FWクリスティアン・テオハルスに倒されたことで川崎FにPKが与えられると、キッカーを務めたエリソンが強烈なシュートをゴールネットに突き刺した(得点は前半36分)。
後半アディショナルタイムには、途中出場のFWマルシーニョが味方MFパトリッキ・ヴェロンの右サイドからのロングパスを受け、相手GKアダム・パフレシッチと1対1に。マルシーニョがパフレシッチの頭上を越えるループシュートを放ち、勝利を決定づけるゴールを挙げた。
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勝って兜の緒を締めた長谷部監督
川崎Fが2トップを起点とする守備で試合を掌握しているように見えたが、長谷部監督はこの日のパフォーマンスに満足していない。セントラルコースト戦後の会見で筆者の質問に答えた同監督は、この日の反省点を率直に語った。
ーお伺いしたいのは、フロンターレの前線からの守備についてです。チームとしての約束事がだいぶ明確だと感じました。だからこそ、大きなピンチを招くことなく今日の試合を終えられたと私は思っています。今日出場した選手たちの守備のクオリティーについて、監督の評価をお伺いしたいです。あと、前線からの守備のスイッチを入れる役割としての、エリソン選手と山内選手の評価もお願いします。