そこで新しいドローンには、自然界で観察される昆虫の動きをヒントに、一時停止(ホバリング)しながら回転する動作と、一定距離を直進する動作を交互に繰り返すアルゴリズムを開発・導入しました。
回転中にスキャンした匂い情報(匂いセンサの値とドローンの角度)を計算することで、匂い源の方向を推定して、その方向に直進するのです。
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そして、このように進化したバイオハイブリッドドローンは、探索範囲が従来の2mから5mへと飛躍的に向上しました。
この結果は、小型ドローンによる匂い探索の世界記録です。
この技術が発展すれば、災害救助だけでなく、ガス漏れの検知や麻薬・爆発物の探索など、幅広い応用が可能になるでしょう。
しかし、実用化にはまだ課題も残されています。
例えば、触角の耐久性が低いため、長期間の使用には工夫が必要です。
今後、これらの課題を克服し、実用化が進めば、匂いを頼りに空を飛ぶレスキュードローンが活躍することになるかもしれません。
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参考文献
照月大悟准教授ら、進化した次世代匂い追跡ドローンを開発し、昆虫の技術を駆使した世界最高性能モデルが新記録を樹立!
https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/textiles//news/2025/02/194408.html
元論文
Advanced bio-hybrid drone for superior odor-source localization: high-precision and extended-range detection capabilities
https://doi.org/10.1038/s44182-025-00020-9