意識は脳に依存しないのか?

 死後の意識に関する研究は、従来「宗教や哲学の領域」とされていた。しかし、近年の研究では、「意識は脳から生じるものではなく、独立した存在である可能性がある」という仮説が浮上している。ハーバード大学の神経科学者エベン・アレクサンダー博士も、死後の意識の存続を主張する一人だ。彼自身、細菌感染による昏睡状態に陥った際に「脳が完全に機能を停止していたにもかかわらず、鮮明な意識を持っていた」という体験をしており、従来の科学的説明ではこれを合理的に説明できないと指摘する。

 また、パーニア博士は、蘇生医療の発展が人間の死の概念を大きく変える可能性があると述べている。例えば、低体温療法を活用することで、心停止から数時間が経過した患者でも蘇生が可能になる可能性がある。これは、現代医学における「死」の定義が今後大きく変わることを示唆している。