そんな札幌にも実力者はまだいる。昨シーズンのJ1で12試合に出場し鉄壁の守りを見せたDF家泉怜依である。デュエルの強さや空中戦の強さが持ち味の家泉。開幕戦はベンチスタートだったが、不動のリベロとしてスタメンに定着できれば札幌の守備力が大きく向上するだろう。


岩政大樹監督 写真:Getty Images

露呈した“寄せの甘さ”

大分戦では再三にわたってボールへの寄せの甘さが目立ってしまった札幌。前線からのプレスは積極的に映ったが、自陣ではボールへの寄せが甘いシーンが幾度となく見受けられた。失点したいずれのシーンでもボールウォッチャーとなってしまい、得点したプレーヤーをフリーにしてしまった。マークの受け渡しなど守備での決め事を明確にすることが急務であり、元DFである岩政監督の手腕が試される。


今回は札幌が1年でJ1復帰を果たす為に克服すべき課題を4つ紹介した。なかでも特に深刻なのが「得点力不足」である。昨シーズンとは大きく違うのは、昨夏加入のFW選手が開幕前のキャンプから帯同していることだろう。戦術理解度やチーム内連携が深まれば、一気にブレイクする可能性もある。

岩政体制となってまだ1ヶ月弱ではあるが、開幕戦を観る限り相当厳しいシーズンになることも覚悟しなければならない。とはいえ「継続と継承」を掲げる新体制はまだ始まったばかり。今後の立て直しに期待したい。