札幌の武器はMF近藤友喜やDF髙尾瑠らをはじめとする右サイドを起点とした攻撃。開幕節でも右サイドを起点に奮闘する姿が見られた。一方で気になったのが左サイドからの攻撃が停滞気味だったこと。左WB(ウィングバック)にはDF中村桐耶、3バックの左にはDFパク・ミンギュが起用されたが、なかなかチャンスを構築できず左のアタッキングサードに入る場面もほとんど見られなかった。

当然、左サイドからチャンスクリエイトするシーンが増えれば相手チームはそこにケアを置く比重が増える。その分右サイドにスペースができ、そこからの攻撃が活性化し相手DFは札幌のサイド攻撃に手を焼くことになるはずだ。そこで筆者が考える左サイドの攻撃の活性化に期待したいプレーヤーが、昨シーズンプロ1年目ながら第3節の町田ゼルビア戦でチーム第1号の得点を記録したMF原康介だ。ルーキーイヤーはJ1リーグで12試合出場2ゴール。開幕戦の帯同メンバーに名を連ねていないものの、持ち味のドリブルやスピードで左サイドを制圧できるポテンシャルを秘めている。

そのほか、独特のボールタッチから個で打開出来るMF青木亮太が左WBを務めても面白いのではないだろうか。今後の試合では左サイドで起用される選手のクオリティが札幌のサイド攻撃を活性化させるためのカギとなるだろう。


家泉怜依 写真:Getty Images

守備のキーマンはDF家泉か

昨シーズンまで3バックの中央であるリベロを務めていたDF岡村大八。昨季J1の空中戦勝率で2位と圧倒的存在感で札幌の守備を統率してきたが、今シーズンはJ1の町田ゼルビアへ移籍している。現状、リベロでの1番手に相応しいのは、昨季ボランチで起用される機会が多かったDF大﨑玲央だろうか。開幕節もリベロでスタメン出場を果たしたが、相手選手と入れ替わるシーンやデュエルの強さには物足りなさを感じた。