これは「離れている間にパートナーが他の男性と関係を持つ可能性がある」と無意識に判断し、より多くの精子を送り込む戦略が進化している可能性を示唆するものです。
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ただこれまでの研究は、パートナーと会わない「時間的な隔たり」の影響を調べたのみで、他の要因については調べられていません。
そこで研究チームは今回、「パートナーが浮気しているかもしれない」とか「彼女に男友達が多すぎる」といった男性側の思いが、精子の質にどれだけの影響を及ぼすかを調べることにしました。
彼女の浮気を疑う男性は精子が濃くなる
本調査では、大学のコミュニティから交際中の男女カップル34組(18歳〜32歳)を募集し、45日間の調査を実施しました。
すべてのカップルは少なくとも3か月以上の交際期間が続いており、定期的に性行為も行っていることを条件としています。
各カップルは計7回のセッションに参加しました。
最初のセッションではパートナー同士を別室に分け、主に男性参加者に対して以下のような質問に回答してもらっています。
1:直近の性交以降、どれくらいの時間を一緒に過ごしたか
2:男性側はパートナーが浮気している可能性をどれくらい高いと認識しているか(過去および将来の浮気の可能性)
3:男性側はパートナーの男性の友人や同僚の人数、さらにはその男性たちとパートナーが過ごす時間をどの程度と考えているか
初回セッションの後、カップルは今後45日間で計6回の精液サンプルを自宅で採取するよう指示を受けました。
6つのサンプルのうち、3つは性交後に専用のコンドームを使用して採取するよう指示され、残りの3つはマスターベーション(自慰行為)によって採取することになっています。
また一貫性を確保するため、精子サンプルの採取前には最低48時間、最大で7日間は射精を控えることなどが指定されています。
その後、チームは回収された精子サンプルの濃度や運動量を調べ、参加者の回答と照らし合わせました。
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