男性の皆さんは交際中の彼女に対して「男友達が多いのが嫌だな」と嫉妬したり、「もしかして浮気してるかも」と疑心暗鬼になった経験はありますか?
もしあるなら精子が濃くなっているかもしれません。
米オークランド大学(Oakland University)の研究で、男性はパートナーに対して「異性の友人が多すぎ」とか「浮気している可能性が高い」と感じるほど、性交時に射出される精子濃度が増加することが判明したのです。
これは男性の体が激しい競争の中で自分の子孫を残せるように、無意識のうちにより多くの精子を送り込もうと適応している証拠と考えられます。
研究の詳細は2024年11月5日付で学術誌『Archives of Sexual Behavior』に掲載されています。
目次
- 人間も性的ライバルの脅威から「精子の質」を変化させるのか?
- 彼女の浮気を疑う男性は精子が濃くなる
人間も性的ライバルの脅威から「精子の質」を変化させるのか?
動物界では、複数のオスが同じメスと交尾することが多々あるため、どのオスの精子が受精に一番乗りできるかを競う「精子競争(sperm competition)」の現象が広く見られます。
例えば、チンパンジーは多くのオスとメスが交尾をするため、オスはより多くの精子を生産し、より活発に動く精子を持つことで競争に勝とうとします。
一方で、人間は基本的には一夫一妻制が世界に広く浸透しているため、「精子競争は関係ないのでは?」と思うかもしれません。
しかし私たちの社会でも浮気や不倫は日常茶飯事ですし、自分のパートナーが陰でこっそり別の相手と密会している可能性はあります。
そのため、人間の男性も性的ライバルの脅威を本能的に察知し、それに応じて精子の質を変化させている可能性が先行研究などで示唆されているのです。
特に1993年の研究では、カップルが長期間離れて過ごした後の性交では、通常よりも多くの精子が射精されることが示されました(Gordon S. Lynch, 1993)。