彼らは「弱い立場」として共感を求めるところから始まり、次第に「攻撃者、支配者」になり、「助けてくれる相手」をコントロールし、自分の感情を発散しようとする。

最後は全力で逃げて関係を無理やり断ち切ったが、かなり痛い目をみた体験であった。

いつでも損切りできるように

もちろん、このたった一回の経験だけで「依存的な人を助けるな」と断言する根拠にするには浅すぎる。それは自分もよく理解している。

その後は心理学を勉強し、人生を送る中で様々な依存体質の人と関わったことで件で述べた人物と驚くほど共通点がいくつも見られたことで、「世の中には助けてもお互い不幸になる属性が存在する」という確信を少しずつ深めていった、という感覚である。

難しいのはそうした人はわかりやすく「私は依存体質ですよ」とラベルが貼ってあったりしないことだ。パッと見では弱々しく、いかにも手を貸したくなる相手に見えるが、その内面は驚くほど強欲、支配欲、搾取欲に満ちており、関わると一緒に落ちていくという恐ろしさがある。

そこでおすすめをしたいのが「いざとなれば損切り」の技術を持っておくことだ。例えば親切心を発揮して助けた後に相手が、徐々にそうした頭角を表すプロセスの渦中にいることを理解した時にはパッと損切りをするのだ。

依存体質の特徴として「義務を果たさず、権利ばかり主張する」というものがある。こうした人達は自分の弱者性を武器化して、相手を支配する特性を持つので、そうしたスタンスが隠顕するようになれば関わりを少なくする。または「自分は別の意見を持っている」と相手の意見に積極的に同調しないシグナルを出すことだ。

依存体質な人は相手との距離を詰める時に一般人以上の速度でグイグイ来るので、「あなたと自分は全く異なる属性ですよ」というラインをしっかり見せるようにする。これだけでも相手からの搾取ターゲットにならずに済む。

筆者の場合、発信活動においては「解決可能な問題に愚痴をいうのはやめて、完全解決を目指そう」というようにしている。こうした意見を出すだけでもかなりの程度、魔除け効果を発揮していると感じる。