こんな対話を頭の中で展開するのです。

自分自身のことだと認知の歪みに邪魔されてうまく考えられなくても、友人の悩みだと現実的に考えられる上に、相手を温かく励ますことができます。ぜひやってみてください。

ここでご紹介した5つのステップは、早い段階で実践することが重要です。深刻な状態になる前に、思考パターンを修正できれば、メンタルヘルスの維持に大きく貢献します。

認知の歪みが他人に向けられているときは

極端な思考が部下に向けられていることに気づいたら、次のように考えてみましょう。

「相手にもなにか言い分があるのではないだろうか」 「相手はどのように感じているだろうか」

自動思考は自分のことでいっぱいです。フォーカスを相手に当てるだけで、極端な偏りに気づくことができます。

また、職場で眼の前にいる相手なのですから、実際に相手にどうなのか聞いてみる、という行動に出ればなおよいですね。

専門家にたよることもよい方法

もし独りでは思考や気分の整理が難しいと感じたり、落ち込みやイライラが続いたりする場合は、家族や友人など信頼できる人に相談してみましょう。

誰かに相談することで、新しい視点や気づきが得られ、思考の柔軟性を取り戻すきっかけになるかもしれません。

また、困った状況が続いて自分ひとりや家族・友人の助けだけではうまく解決できない場合、専門家のカウンセリングを受けることも検討してみてください。

認知行動療法や、マインドフルネス等、考え方の歪みを解決するプログラムはいろいろあり、どれも一定の効果があることがわかっています。

ネガティブ思考に気づくことは自己成長につながる

ネガティブな思考パターンに気づくことは、実は大きなチャンスです。それは、より健康的で建設的な思考パターンを身につけるための第一歩となるからです。

完璧な人生などありません。誰しも失敗や挫折を経験します。大切なのは、そこから学び、成長していくこと。「全部」「いつも」といった極端な言葉に縛られることなく、一歩一歩前に進んでいきましょう。