さらに、「いつも失敗する」と思った時は、過去の成功体験を思い出してみましょう。

「私は人前で話すのが全然ダメ」と感じていても、実際には先月の部署会議では質問に適切に答えられたし、オープンセミナーに参加したときに自己紹介したら、好意的に受け止められたこともありました。趣味のサークルでは楽しく会話できているという事実もあるはずです。

このように具体的な反例を探していくことで、思考の偏りに気づくことができます。

  1. 否定的で極端な表現を現実的な表現に変換する

    もうひとつ、否定的な極端な表現を、より現実的な表現に置き換えるというやり方があります。

    例えば「全部ダメだ」は「この部分は改善の余地がある」に、「いつも失敗する」は「今回はうまくいかなかった」に、「みんな私を嫌っている」は「一部の人とは関係が良好ではない」というように変換してみましょう。

  2. 友人の立場で自分にアドバイスしてみる

    友人から悩みについて相談を受けると、当事者とは違って問題から距離があるので、冷静に現実的なアドバイスができるものです。

    それを利用して、あなたの状況を友人(架空でも実在でも)のものとして思い浮かべ、その人に相談されたら自分はどう答えるか、考えてみましょう。

    頭の中の友人(実はあなた自身、以下「友」):「仕事で大失敗してしまった。もうだめだ」 あなた(以下「私」):「失敗ってなにをやっちゃったの?」 友:「お客様に提出するだいじな書類に間違ったことを書いちゃった」 私:「そっかー。たいへんだったね。それでどうなったの?」 友:「上司には注意されたけど、メールで訂正した文書を送って、電話でおわびしたら、お客様にはそんなにとがめられなかった」 私:「へー。失敗は失敗だけど、大失敗ってほどじゃないんじゃない?」 友:「そうかな? そうかも…」 私:「もうだめだなんて、おおげさだよー」 友:「そうだよね。もうだめなんてことはなくて、まだまだ挽回できるよね」 私:「そうだよ! 元気出して!」