世界は、エネルギーの現実に目覚めている。空想的な脱炭素ではなく、自国の安全保障と経済のためのエネルギーを求めている。その主力はもちろん化石燃料である。
そうすると、パリ協定に「野心的な数値目標」を提出する国など、限られてくるのではないか?
日本は、パリ協定に数値目標を提出することをしばらく見合わせるべきだ。とりあえず9月ごろまで延期しても、どの国も日本を非難などしない。「検討中」と言っておけばよい。
そのまま日本がパリ協定に数値目標を提出しなければ、パリ協定は空文化する。これは2010年に日本が京都議定書第二約束期間の数値目標を提出せず、同議定書を空文化させたのと同じことだ。
もっとも、日本が引導を渡すまでもなく、放っておいても瓦解するかもしれないが。2050年CO2ゼロなど、もともと出来るはずがない約束なのだ。
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